全経簿記上級検定試験は、簿記検定の中でも日商簿記1級と並び高い難易度を誇ります。
(難易度、合格率、受験者層的に日商簿記1級の方が難関のようです。)
商業簿記、会計学、工業簿記及び原価計算について高度な知識を有し、
併せて複雑な実務処理能力を有するレベルです。
全経1級とのレベルの差は相当なもので、試験範囲も難易度も合格率も会計士試験の方に
近い試験となっています。
また、日商簿記1級より理論中心の問題構成です。
全経1級や2級や3級にはない、足きり点
、傾斜配点があり、
合格すると税理士試験の受験資格が得られます。
税理士試験は大学で経済学などの単位を取得するなど、細かい受験資格がありますので、
高卒の方などは、全経簿記上級や日商簿記1級合格というが税理士を目指す一つの目標となるでしょう。
全経簿記上級の試験科目は、日商簿記1級と同じく、
商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目です。
会計基準などの改正が頻繁にあるため、それに対応するために学ぶべき量は年々増えているようです。
(この点は日商1級に限らず簿記検定試験に共通する部分です。)
1科目あたり100点満点で、70点以上、計280点以上で合格となりますが、
各科目の得点が40点未満の科目が1つでもあれば不合格となります。
日商1級と同様足きり点が設定してあるため、
全経簿記上級は苦手科目が作れない試験となっています。
合格率は15%から25%を推移しております。
日商1級と比較すると高い合格率となっておりますが、
簡単に取得できるものではありません。
日商1級ほど安定していない合格率をみると、絶対評価試験といえるでしょう。
全経簿記上級検定は、税理士受験生が受験資格を得るためや、
日商1級ほどではないにしろ税理士受験生、会計士受験生が力試しやキャリアパスのために受験する人が存在します。
税理士受験生や公認会計士受験生など難易度が高い勉強をしてきた人たちと戦うことになりますが、
日商簿記1級より、合格率が安定していないため、上位に入るというよりは7割得点することをとにかく目指すことが目標となるでしょう。
まったく初学者から全経簿記上級を目指すのは効率的ではなく、
3級、2級、1級と基礎基本を固めていくことが合格の近道となります。
もし、簿記の知識がゼロから上級を目指すのであれば、
いたずらに受験期間を長引かせるのを防ぐため、
専門学校にいったほうがいいでしょう。
全経1級や日商簿記2級合格レベルであったり、税理士や公認会計士受験生であれば、
難易度は税理士会計士の方が上ですので、特段別に全経簿記上級講座を受講しなくてもいいという意味での独学は大丈夫でしょう。
ただ、足きり点があるので苦手科目があるのであれば、
独学は合格するためには危険かもしれません。
難易度比較で日商簿記1級のほうがやや難易度が高い評価ですが、
会計学や理論問題は全経簿記上級のほうが多少難しいようです。
計算問題中心の日商簿記1級に対して、理論問題中心の全経簿記上級ということで、
違った対策が必要のようです。
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